収蔵庫・壱號館

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田中絹代ぶんか館(下関市立近代先人顕彰館) 


1924年,山口県下関市,逓信省営繕課,現存(保存再生工事完了)(撮影:2010.2.13)

祝再生!−旧・下関電信局電話課庁舎

 1999年末に保存が決定されてほぼ10年、ついに保存活用の工事が完了し、下関出身の先人の偉業を伝える記念館として再スタートを切った。
 1階は「ふるさと文学館」と「ミニホール」、2階は「田中絹代記念館」、3階は「休憩室」と「屋上テラス」という構成だ。

 ところで、工事着工直前になって、電話局舎としての竣工当時の内部の映像を示す写真帳が発見された(ここのページに置いたもの)というラッキーな事情もあって、これを活かした内装も再現されている。
 この写真帳によれば、もともと1階は「電話試験室」、2階は「電話交換室」、3階は「休憩室」であった。

 私はこの写真帳を携えて、矢も盾もたまらず、開館式典当日に蘇った建物を訪れた。16年ぶりということになる。
 ここでは、撮影した画像をとにかく貼り付け、美しい建物の姿をご紹介したい。なお、この段階で旧逓信庁舎時代の名称は「下関電信局電話課庁舎」とされている。

 どんよりと曇って、時折雨が降る寒い開館式典当日であった。
 しかし、夕暮れ時にひとりだけで再度建物を前にした時、雲が割れ明るい光が差した。ほんの数十分の日が落ちるまでの間に撮った画像である。まるで建物が私だけに微笑んでくれたかのようだった。



 印象深いドリス式の半円柱、これは既に無き岩元禄による青山電話局に取り付けられていたものと同質。岩元禄の忘れ形見のように、ここに今も存在する。



 右画像は1階、もとは電話試験室であった。梁ハンチの直天井の美しさを、さらに新設の照明器具が引き立てている。



 左図は休憩室。ここは昔も電話交換手の休憩室であったのだから、基本的な用途は変っていない。

 2階の元「電話交換室」に取り付けられていた、いわゆる「持ち送り装飾」。これで梁のハンチを隠していた。
 とても珍しい特徴ある装飾。

 右下の画像も2階の独立柱の柱頭部。同様にハンチを隠している。これも他では見られない独特の意匠。



 さっそく、開館式典の記事が、翌朝の新聞各紙に躍る。大女優田中絹代と時代の花形職業たる電話交換手の元住処。時を越えて自立した女性たちが出会う、そんな性格がこの記念館にはあるようだ。
 各新聞の中でも、映画だけでなく建物のことにも詳しく触れた下記記事は特に秀逸。敬意を表してUP。


| 1920年− | 00:41 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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コメント
情報ありがとうございます。
僕は去年の秋頃、仕事の取引先の方と下関市役所へ行く用事があったんで、その時に立ち寄りました。
まだ工事中でしたが、完成間近で楽しみにしていたんです。

5、6年前にも見学行って、その時はカラーのモノクロの両方で撮影しているんで、今回も是非見学&撮影に行きたいと思っています。

竣工当時の姿とほぼ同じ状態での補修・改装工事は、九州近辺では珍しいのではないでしょうか?
(僕が知らないだけで、実例は多いのかもしれません)
| トモアキーニ | 2010/02/17 12:05 PM |
 私も久方ぶりの実物との再会でしたが、ひとつひとつ考え抜かれた保存改修に感心しました。そういう意味では見どころがむしろ増加しているかもしれませんね。是非、見学されることをお勧めしますよ。
 門司〜下関には、いわゆる明治近代からの建物がたくさん保存されています。(レトロスポットとしては、門司の陰に隠れているのかな)当ブログでも追々アップしましょう。
| Kikuchi | 2010/02/18 9:55 AM |
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