収蔵庫・壱號館

日本の20世紀をメインとした建築画像の保管庫
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旧・梅田阪急ビル
 
1929年(第1期),大阪市北区,竹中工務店+阿部美樹志(構造),非現存(撮影:1992年)

 言わずと知れた、旧・阪急百貨店。建て替えられるなんぞ夢にも思わずインスタントカメラでバシバシ撮ったのだが、結構写るもんです。また、何度か中に入ったこともあるが、その豪華で重厚な内装は、恒久にして不滅の殿堂とさえ感じられた。もちろん、それは全くの思い過ごしだったのだが・・・。

  調べてみると、驚いたことに日本初の電鉄系百貨店であり、ターミナルデパートの発祥であったとも書かれている。ということは、見方にもよろうが、20世紀近代都市における経済原理が主導した本邦最初期の大がかりな施設にして、またなりふりかまわず流動・膨張する都市の振る舞いのひとつのパーツとして、単体建築がその役割を転じた初期の例、とも言えるのだろうか。
 確かに、第9期まで繰り返されたという増築の痕跡をその外観に見出したとき、新陳代謝を続けるひとつの生命体の如き都市の有り様を感じさせる。
 度重なる増築にもかかわらず、外観の水平ラインが建築としての秩序をどうにか保持していたのだが、それもある限界点に達した時、すでに水平方向への延長ではもはや対処不能となり、現在目にするような高層建物へと「脱皮」を図った。そんな成り行きであろうか。

 ここ最近撮った右の画像は、かつてのポストモダニズムの作法を連想させるような表層イメージで装いつつ、吹っ切れたように、都市ストックとしての恒久的な建築の使命を捨てた身軽ささえも感じさせる。用いられた旧建物のイメージも、意図はともかくとしても、消費の対象としての再利用となっているようだ。

 こうして、ターミナルデパートの嚆矢は、姿を変えた今も変らず、商業都市の原理が敷いたレールの上を、ひた走る。
 

| 1920年− | 19:50 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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