収蔵庫・壱號館

日本の20世紀をメインとした建築画像の保管庫
<< 横浜銀行 旧本館別館(旧第一銀行横浜支店) | main | 旧・倉敷市庁舎(現・倉敷市立美術館) >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
モリソン商会(居留地48番館)
        

1883年,神奈川県横浜市,設計者不詳,保存措置済(撮影:1991年),*神奈川県指定重要文化財        

        


  私も所属している日本近代建築メーリングリストのメンバーによるエピソードの中で、有名な快挙を紹介したい。
 7年ほど前のこと、ちょうど昭和初期の集合住宅ヘルムハウス解体の悲報に気をとられていた頃、メーリングリスト会員でもあり横浜の建築に詳しいNickeyさん(ハンドルネーム)が、それまではもう残っていないとされていた山下の居留地館の遺構を発見した。当時ヘルムハウスに隣接していた写真のような物置小屋(上2枚の写真)を見て、外人居留地館48番館「モリソン商会」の遺構の一部を含んでいると見破ったのである。彼は下図の居留地館の銅板画と照らし合わせることにより、これが関東大震災の被災で残った48番館のキーストーン(右)や一部残ったアーチ付煉瓦壁に上塗りを施して再利用した建物と推測、地図による立地からもこの建物が48番館の一部であろうと考えた。
 解体の期日が刻々迫る中、彼はすぐさまこのことを市側へ連絡、ぎりぎりのところで専門家の調査が入り、推測通りに銅板画の外観と同様のアーチ付き煉瓦壁が確認された。そして早急に保存措置が講じられるに至った。あっぱれな話である!。

   上左右右下:「日本絵入り商人録」より)

 一方、当時の私もこの件からさらに10年前に、ここに掲載しているようななんとなく風変わりはな物置小屋を撮影していた。しかしNHKの全国ニュースでこの幻の横浜の居留地館発見の報に接してはじめて、これが貴重な遺構であることを知ったのである。不勉強な私は、毛筆書体が刻まれたキーストーンが入り混じる建物を奇異に感じながらも、写真に撮っただけで事足れりとしてしまっていたことに反省しきり。それにしてもNickeyさんの慧眼には頭が上がらない思いである。

        
 この建物をはじめとする横浜の数々の建築についてはNickeyさんが主宰する横浜近代建築アーカイブクラブの「神奈川の近代建築」にある。上の写真は遺構を「さや堂」式に保護している現状。最近も、周辺一帯の開発に伴う発掘調査により、居留地館時代の遺構の断片が次々発見されている。




| −1899年 | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 23:09 | - | - | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://20thkenchiku.jugem.jp/trackback/30
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
叢書・近代日本のデザイン 25 [大正篇]
叢書・近代日本のデザイン 25 [大正篇] (JUGEMレビュー »)
分離派建築会,関西分離派建築会
「分離派建築会」作品集3刊の、初の復刻本が刊行されました。末尾の解説文は私が担当しました。
収蔵庫・壱號館
ここは本家サイト《分離派建築博物館》背 後の画像収蔵庫という位置づけです。 上記サイトで扱う1920年代以外の建物、随 時撮り歩いた建築写真をどんどん載せつつ マニアックなアプローチで迫ります。歴史 レポートコピペ用には全く不向き要注意。 あるいは、日々住宅設計に勤しむサラリー マン設計士の雑念の堆積物とも。
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE