収蔵庫・壱號館

日本の20世紀をメインとした建築画像の保管庫
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日名子実三による記念碑2題
 大正末期から昭和前期にかけて活躍した彫刻家日名子実三(1893-1945)による作品から、東京都内で見られる記念碑をふたつほど。日名子実三は大分県出身、上京して東京美術学校に入学しつつ朝倉文夫の彫刻塾の門を叩き塾頭となる鬼才ぶりを発揮した。しかし、純粋芸術としての彫刻に飽き足らず朝倉と袂を分かつことになる。そして都市の一部を構成する公共的モニュメントあるいはレリーフなどによる建築と彫刻の融合を目指し、果てはメダルの制作など応用芸術としての立体造形全般を視野に入れ、1926(大正15)年に研究団体「構造社」を齋藤素巌と共同で発足させた。
 そのようなわけで日名子による記念碑は、単なる偉い人の銅像を超えた、アートとしてのモニュメントのさきがけなのである。例えば宮崎県にある「八紘之基柱(現・平和の塔)」の作者だと言えば思い出される方は少なくないかも知れない。また日本サッカー協会のシンボルである八咫烏(やたがらす)の図案も日名子による。
 そうした日名子実三による作品は、他にも身近なところに存在するのだろうか、少し散策してみよう。
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《来島良亮君記念碑》,東京都豊島区,1934(昭和9)年

 上を目白通り、下に明治通りが走り立体交差を成す千登世橋の脇にこの記念碑がある。戦前の土木技術者来島良亮を顕彰する記念碑であり、東京府土木部長として震災復興期に都市計画諸事業の指揮を執った功績が、この記念碑の建立に至った理由と考えられる。
 実際にスコップを握る人々、都市計画プラン、来島の肖像レリーフという3点の立体造形が結像し、偉大な都市計画事業の達成を祝福するメッセージを発しているかのようだ。
 
 昭和7年に完成した千登世橋と千登世小橋は、都市計画事業を支えた高い技術の証しなのであろう。この鋼製アーチ橋は「東京都の著名橋」に指定され平成2年度に修景が施されたことが近年の碑に記されていた。


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《下丸子耕地整理事業完了記念碑》,東京都大田区,1936(昭和11)年

     天祖神社の境内に建っている。耕地整理施行前の地形と、施行後の碁盤の目状に整然と区画された状況が見比べられるユニークな記念碑。なお、耕地整理とはいえ工場誘致が主目的であったらしい。

 構成主義風の立体造形の上に日本の神話時代の神様が鎮座されている様には、正直言って吹き出しそうになる(すみません)位微笑ましい。それにしてもこの神様は誰なのだろうか。
 後に完成するモニュメントの集大成「八紘之基柱」にはたくさんの神様や神将、埴輪なども据えられるが、この記念碑はその路線の源泉なのであろうか。






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