収蔵庫・壱號館

日本の20世紀をメインとした建築画像の保管庫
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群馬県立近代美術館

1974年,群馬県高崎市,磯崎新,現存(撮影:1981年)


 1辺12mの立方体フレーム、第一原質たるプラトン立体への「偏愛」のみがまず建築を成り立たせる発端としてあると作者は言うが、言うなれば、外部からも時間からも切り離されたある観念のみが建築を成り立たせているに過ぎないということを暗に仄めかしている。
 そして強力な秩序をもたらす立方体に対して、亀裂を入れるために「増幅」、「ズレ」、「ねじれ」などの操作が施される。表現の手の痕跡とは無縁の出来事として。
 
  あらゆる表面は幾重にも正方形に分割され増殖し、あるいは立方体フレームが入れ子状に並置される。池を抱く立方体の軸線は22.5度振れて伸張する。内部では、よじれた逆パース状のオブジェが視線の彼方に異物のように挿入され、壁の表面にも執拗に歪んだグリッドフレームが刻み込まれている。
 このような従来的な意味における表現行為とは言い難い操作は、ルネサンス的人間による「創造」への不信、「手法」としてのみ延命が許された建築のあり方を示す。また人間存在の減失がもたらす不在の時代としての近代への認識に根ざしている。
 
 モダニズムが内に秘めたこうした問題を見据え、なおも建築を生み出すことそのものへを課題として据えたのは、1970年代に入ってこの建物を設計した磯崎新、あるいは別のアプローチによる(「宮島邸」を設計した)藤井博巳らが、ほぼ日本における最初の建築家だったのではなかったかと思う・・・。








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