収蔵庫・壱號館

日本の20世紀をメインとした建築画像の保管庫
<< 北九州市立中央図書館 | main | 川崎市役所本庁舎 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
つくばセンタービル
 
1983年,茨城県つくば市,磯崎新,現存(撮影:1983年)

 作者の説明に従えば、国家的施設が暗に求めるシンボル性を慎重に排除すべく、虚構としての都市空間が計画された。 
 切り拓かれた平地にわざわざ人工的なボイド空間すなわち西欧的な広場が設けられたのだが、よく知られたカンピドリオの丘の広場の引用である。オリジナルでは盛り上がって騎士像があるはずの中心部分がここでは最も低い窪みとなって水が流れ込むような反転操作がなされた。また、人車分離の機構としての近代都市のアイデアたるペデストリアン・デッキが歩行者だけのために巡らされた。
 これらを取り囲んで無数の西欧の歴史様式的アイコンが引用され、変形操作された記号として堆積物をなす。ルドゥ、立方体フレーム、その他西欧の歴史様式的アイコンが無数に散りばめられ、また記憶するところ忍者屋敷的あるいは視覚トリック的状況で満たされている。全体的にはジュリオ・ロマーノ的崩壊感覚が主調をなしているように思われ、廃墟としての姿も提示された。

 こうして国家が求める「日本的なる」部分は排除されたはずであった。しかしながら作者いわく、変形操作されたはずのカンピドリオ広場は、まさにロラン・バルトが皇居に見出した「空虚な中心」そのものであり、はからずも意図せざる「日本的なるもの」が現出してしまった、そう指摘されたことを吐露している。




| 1980年− | 20:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 20:57 | - | - | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://20thkenchiku.jugem.jp/trackback/319
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
叢書・近代日本のデザイン 25 [大正篇]
叢書・近代日本のデザイン 25 [大正篇] (JUGEMレビュー »)
分離派建築会,関西分離派建築会
「分離派建築会」作品集3刊の、初の復刻本が刊行されました。末尾の解説文は私が担当しました。
収蔵庫・壱號館
ここは本家サイト《分離派建築博物館》背 後の画像収蔵庫という位置づけです。 上記サイトで扱う1920年代以外の建物、随 時撮り歩いた建築写真をどんどん載せつつ マニアックなアプローチで迫ります。歴史 レポートコピペ用には全く不向き要注意。 あるいは、日々住宅設計に勤しむサラリー マン設計士の雑念の堆積物とも。
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE