収蔵庫・壱號館

日本の20世紀をメインとした建築画像の保管庫
<< 松戸市民会館 | main | 渋谷区総合庁舎と渋谷公会堂 >>
春日部市庁舎
            
      1971年,埼玉県春日部市,建築モード研究所,現存(撮影:2012,2013年)


 埼玉県にはその緩やかな湾曲面によってひときわ目を惹く庁舎がある。ある日、春日部市庁舎の外壁面が東京都渋谷区の区庁舎に似ていることを思い出し、気になったので調べてみたところ、やはりと言うか、高橋武士の建築モード研究所の設計であることがわかった。渋谷区のそれから7年後、1971年竣工の建物であった。  
          
 明快な形状をもって忽然とそそり立つ迫力は相当なもので、そういう意味だけで言えば、その印象は日本版のブラジリア・・などと言ったらたとえが過ぎようか。
 掲載誌『建築界』には担当者による解説が記載されている。敷地は夜になれば蛙が鳴いていそうな一面田圃であったとのこと、当時こうした田園地帯が開拓されていくことに複雑な心境もあったそうである。そんな中で、「発展する市のシンボルでなければならず、またこの風土に調和し超克するものでなければならない」(*1)との思いで計画が進められたことが書かれていた。
                  
 建物の外観はどの角度からの視線にも耐えるよう、考えられている。曲面を随所に取り入れ巧みに分節されたディテールの妙や、窯変タイルなど材料の取り入れ方の巧さによって、そうしたオブジェ的な美しさがかたち作られているのかもしれない。
                       

                  
 正面の湾曲したウィングの裏側には低層の議会棟があり、PC版を用いた軽快な外壁面がタイル面と好対照をなしていた。そして内部の地下食堂から日本庭園を眺められるように作られていたそうである。
 良い建築に巡り合えたという満足感に浸りながら春日部を後にした。
               
        
             

                  


  *1:『建築界』1971年5月号,P.15

 
| 1970年− | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 21:55 | - | - | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://20thkenchiku.jugem.jp/trackback/367
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
叢書・近代日本のデザイン 25 [大正篇]
叢書・近代日本のデザイン 25 [大正篇] (JUGEMレビュー »)
分離派建築会,関西分離派建築会
「分離派建築会」作品集3刊の、初の復刻本が刊行されました。末尾の解説文は私が担当しました。
収蔵庫・壱號館
ここは本家サイト《分離派建築博物館》背 後の画像収蔵庫という位置づけです。 上記サイトで扱う1920年代以外の建物、随 時撮り歩いた建築写真をどんどん載せつつ マニアックなアプローチで迫ります。歴史 レポートコピペ用には全く不向き要注意。 あるいは、日々住宅設計に勤しむサラリー マン設計士の雑念の堆積物とも。
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE