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名古屋市公会堂
     
1930年,愛知県名古屋市,名古屋市建築課,現存(撮影:2012年)

名古屋の建築(3)
 雄渾に聳え立つ、その気宇壮大な佇まいは名古屋市民の心意気か、昭和天皇御成婚を記念する祝意の表れであったのだろうか。
 ごく個人的な感想で言えば、その巨大スケールのせいなのか、かつての堀口の卒業制作をなんとなく連想したりする。大名古屋鶴舞(つるま)公園に起つ中心建築という具合に。

     

 連想を誘うという意味では、オルブリッヒによるヘッセン大公ルートヴィヒ結婚記念塔の方が、本来近いのであろう。結婚記念という意味合い、それに半円形頂部の塔など共通項からして。そしてモダンな造形に向かっている点においても。

        

 シンメトリーでモニュメンタルなこの大きな建物は、それが昭和以前の設計であったのならば、威圧感を相当与える造形がなされていたであろう。しかし、モダンな造形感覚が取り入れられ、昭和の新しい感覚でモノを見る人々は随分と救われたに違いない。(設計顧問として佐野利器,武田五一,鈴木禎次が関与したとの説もあるそうだ。)

        

 全体はアール付ののっぺりとした表現主義的な壁面で覆われており、(様式的装飾や処理はあるものの)それだけで相当軽快な建物となったように思える。そして部分に目を向けるならば、私は入口のキャノピー(玄関庇)に感心した。(本体とキャノピーを一体化しマッシブな塊りに見せることを極力避け)キャノピーの機能を持つパーツを本体建物と視覚的に分離するという造形操作を行っている。分節を効かせたその結果、全体はさらに軽快感が増す。つまりモダニズムの建築手法である。

              









| 1930年− | 22:43 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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コメント
何となくぼてっとした感じが好みませんが、名古屋ぼ歴史と共に歩んできた建築であることはまちがいありません

デザインは全く違いますが台北公会堂にも共通するものがある気がします
| 寺西 | 2013/08/02 10:43 AM |
寺西さまコメントありがとうございます。なんといっても私にとってこの建物に出会った瞬間の印象は「でかい!」でした。壮大さや威厳のようなものは、当時の価値観として、立地やスタイルが違えど、ある程度共通のものだったのでしょうね。
| Kikuchi | 2013/08/06 10:00 PM |
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