収蔵庫・壱號館

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城内学園(きうちファッションカレッジ)
  
  1961年,静岡県沼津市,沖種郎,現存(撮影:2014年)

 丹下研出身の沖種郎による、都市デザインの延長線上にあって、都市と建築との融合をめざした計画の実例。あるいはそのモデルとしての建物と言えるのかもしれない。

    

 1960年代当時、「メタボリズム」に代表されるように、急激な人口増加への対応あるいは急速な高度成長の問題に対する解決策を求めて、都市デザイン的な提案が盛り上がりを見せていた。
 沖種郎は1961年2月の『建築』誌上において、「ジャングルジム・システム」とのタイトルを付した提案を行い、いくつかの計画案と実施作として「宮津市庁舎」と、この「城内学園」を掲載した。

    

       

 提案の中で、まず沖は近代技術がもたらす「人間疎外」を問題視し、そこで人間の生活と有機的に関連付けることが可能な都市のシステムを模索した。提案のタイトルに「建築デザインから都市デザインへの接近」と添え書きされているように、沖はマクロスケールの都市と生活する人間スケールの建築との融合によって解決を図ろうとした。
 具体的には、林立する大規模なコア柱とその間に架かり水平に延びる巨大な梁を恒久的な巨大なメジャーストラクチャーとし、そこに更新可能で人間スケールのマイナーストラクチャーの建築を取り付けるという二重構造による(この二重構造自体は、当時、割と普及した考え方ではあった)。
 このようにして多種多様な建築空間が生み出されるジャングルジムのようなシステムと、残された屋外空間とが有機的な関係を持ちながら結合することが可能になるわけで、この点がこの提案の核心となっているようである。
 「淀橋浄水場開発計画案」の例を挙げれば、上空を上述したようなジャングルジム状としオフィス空間として利用、跡地として残された地面は分譲され住宅地として活かされる、というものであった。
 おおよそこのような提案の内容であろうか。

    

    

 城内学園は、都市的視点からすれば小規模なモデルかもしれない。ひとつのコアから延びるRCの構造体があり、余白の部分は教室や執務空間となっている。またそこにはプレキャストコンクリートによる外壁という更新可能な部品が取り付けられているのが特徴となっている。またRC構造フレームのヴォイドな部分は、屋外の広場空間のように機能している。

 写真ではわかりにくいが、プレキャスト部材は木造家屋で見かける「南京下見板張り」をヒントにした水切りの工夫がなされていたそうである。内側には凹みが付けられ棚として利用が可能とのことである。

       

       



 
| 1960年− | 19:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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