2014.05.30 Friday
館林探訪(その2)
前回の続きです。
本町近辺は戦前からの土蔵や看板建築などの他、戦後昭和期の典型的な建物なども色々。どれも2014年2月頃の撮影です。
****
■永寿堂医院
まずはタイルとステンドグラスの外装が美しい1924(大正13)年建築の建物。ゼツェッション的な趣きの外装が上品で美しい。しかし建物は医院としての使命を終え、売り物件の看板がなんとも淋しげ。心ある人が救ってくれるように、と祈る。
■旧丸山本店
典型的な看板建築ながら、ペディメントの細工が細かくて綺麗。
■旧森牧商店
こうした店があるだけで昔からの商店街全体の賑わいがなんとなく想像できる。実物にまさる証拠はないということか。
■蓼沼洋品店
構成主義風の外装による1934(昭和9)年築の商店。昭和初期、モダンであることは善であり夢のような新生活が約束され・・・といった夢を外観のアイコンとした、というよくあったパターンのひとつに該当しようか。巷にはフラット屋根の建築に見せるため、勾配屋根の住宅をわざわざ四角い看板で覆った商店は数知れないほどあるのだが、その延長上にありつつもよく出来た建物、と感じた。
■某商店ビル
1階が店舗のRC造の建物。1960年代の建築であろうか。高度成長期に賑わう昭和の光景が目に浮かぶ。
■某店舗
上の建物に並んで建つこちらは、1970年代以降の店舗であろう。当時の未来イメージが反映されているのか、地上から浮上するようなイメージを上手に建築化したと思う。
■某そば屋
雰囲気あり過ぎで思わずシャッターを押してしまった。味わい深いたたずまいも良いが、屋根をよく目を凝らして見ると、平べったい瓦の形状と葺き方は、長年の変化を度外視したとしても、他で見たことのない不思議なもの。
■旧NTT(現館林水道センター)
モダニズムの造形そのものの元電話局。戦後建築の局舎のようだが設計したのは誰なのか少しばかり気にかかる。
と、目につくがまま気軽に撮った館林の探訪記録でした。
本町近辺は戦前からの土蔵や看板建築などの他、戦後昭和期の典型的な建物なども色々。どれも2014年2月頃の撮影です。
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■永寿堂医院
まずはタイルとステンドグラスの外装が美しい1924(大正13)年建築の建物。ゼツェッション的な趣きの外装が上品で美しい。しかし建物は医院としての使命を終え、売り物件の看板がなんとも淋しげ。心ある人が救ってくれるように、と祈る。
■旧丸山本店
典型的な看板建築ながら、ペディメントの細工が細かくて綺麗。
■旧森牧商店
こうした店があるだけで昔からの商店街全体の賑わいがなんとなく想像できる。実物にまさる証拠はないということか。
■蓼沼洋品店
構成主義風の外装による1934(昭和9)年築の商店。昭和初期、モダンであることは善であり夢のような新生活が約束され・・・といった夢を外観のアイコンとした、というよくあったパターンのひとつに該当しようか。巷にはフラット屋根の建築に見せるため、勾配屋根の住宅をわざわざ四角い看板で覆った商店は数知れないほどあるのだが、その延長上にありつつもよく出来た建物、と感じた。
■某商店ビル
1階が店舗のRC造の建物。1960年代の建築であろうか。高度成長期に賑わう昭和の光景が目に浮かぶ。
■某店舗
上の建物に並んで建つこちらは、1970年代以降の店舗であろう。当時の未来イメージが反映されているのか、地上から浮上するようなイメージを上手に建築化したと思う。
■某そば屋
雰囲気あり過ぎで思わずシャッターを押してしまった。味わい深いたたずまいも良いが、屋根をよく目を凝らして見ると、平べったい瓦の形状と葺き方は、長年の変化を度外視したとしても、他で見たことのない不思議なもの。
■旧NTT(現館林水道センター)
モダニズムの造形そのものの元電話局。戦後建築の局舎のようだが設計したのは誰なのか少しばかり気にかかる。
と、目につくがまま気軽に撮った館林の探訪記録でした。
2014.05.19 Monday
館林探訪(その1)
城下町として古い歴史を持つ群馬県館林市の市街地は、古い土蔵が散見され古い木造家屋の多い落ち着いた雰囲気の町。明治から昭和にかけての典型的な建物がよく残っている。
2年前に菊竹清訓設計の旧・館林市庁舎を見る目的で訪れたのが最初なのだが、その道すがら撮った建物やその後に再訪した時の撮影分などを、2回に分けて探訪記録の形でUPしておきたい。
****
■東武鉄道館林駅
探訪の始まりは駅舎から。1937(昭和12)年建築の駅舎の東口はきれいにお化粧直しをされてたたずんでいる。片や西口の方は再開発に合わせて雰囲気を残しながらも新しい駅舎となっている。
ホームの屋根を支える古いレールもなかなか。レールの製造年代はみつからず。
■現・某選挙事務所
予備知識なしで通りすがりにこのような建物に遭遇したときは、思いがけない収獲に驚きと感動。昭和初期の味を濃厚に湛えるしかも上質の建物。
■旧・館林信用金庫本店(現・館林市民センター分室)
さらに、こうした素晴らしい建物に遭遇すると町全体が文化的香りの高い地であるようにどうしても思えてくる。だがネット上を色々あたったりしても旧建物名と1934(昭和9)年竣工位の情報しか得られないのが不思議。それにしても竣工当時の状況下つまり既存の様式建築にモダニズムの考え方が流入した時期に、これだけのデザイン力を発揮した設計者は一体誰なのだろう。特にディテールは創造性に富んいて面白く、個人的には「群馬のスカルパ」と呼びたいほど(失礼、こちらの建物の方が先輩か)。
(続く)
2年前に菊竹清訓設計の旧・館林市庁舎を見る目的で訪れたのが最初なのだが、その道すがら撮った建物やその後に再訪した時の撮影分などを、2回に分けて探訪記録の形でUPしておきたい。
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■東武鉄道館林駅
探訪の始まりは駅舎から。1937(昭和12)年建築の駅舎の東口はきれいにお化粧直しをされてたたずんでいる。片や西口の方は再開発に合わせて雰囲気を残しながらも新しい駅舎となっている。
ホームの屋根を支える古いレールもなかなか。レールの製造年代はみつからず。
■現・某選挙事務所
予備知識なしで通りすがりにこのような建物に遭遇したときは、思いがけない収獲に驚きと感動。昭和初期の味を濃厚に湛えるしかも上質の建物。
■旧・館林信用金庫本店(現・館林市民センター分室)
さらに、こうした素晴らしい建物に遭遇すると町全体が文化的香りの高い地であるようにどうしても思えてくる。だがネット上を色々あたったりしても旧建物名と1934(昭和9)年竣工位の情報しか得られないのが不思議。それにしても竣工当時の状況下つまり既存の様式建築にモダニズムの考え方が流入した時期に、これだけのデザイン力を発揮した設計者は一体誰なのだろう。特にディテールは創造性に富んいて面白く、個人的には「群馬のスカルパ」と呼びたいほど(失礼、こちらの建物の方が先輩か)。
(続く)
2014.05.09 Friday
足利学校遺蹟図書館
1915年,栃木県足利市,星野男三郎,現存(撮影:2014.2~4)
日本最古の最高学府として知られる足利学校。そこでは儒学を中心に易学,兵学,医学などの教育が行われ、宣教師フランシスコ・ザビエルは「日本国中最も大にして最も有名な坂東のアカデミー」と記した。
足利学校の創設時期については奈良時代とも平安時代初期とも言われはっきりしない。しかし15世紀中頃関東管領上杉憲実により、円覚寺から僧快元を庠主(しょうしゅ)として招くなど整備に力を注いだことがきっかけとなり、全国から人が訪れ、戦国時代を中心に活況を呈したとされる。
画像を掲げた足利学校遺蹟図書館は、上記の経緯を持つ足利学校の貴重な蔵書を保存し、また近代的な公共図書館して人々に開放することを目的として、足利学校の敷地の一画に1915(大正4)年に開館した。
現在、この建物自体が足利市の重要文化財となっており、解説が入口付近に掲示されていた。建物は煉瓦造の外壁に入母屋の小屋組みが架けられた構造であるとのこと。また、懸魚,蟇股,格天井など和風の意匠と洋風の意匠による和洋折衷建築であり、(西欧建築移入に忙しい明治期とは異なり)大正時代の特徴を示す貴重な建物であるといった内容のことが書かれていた。
恐らく伝統ある足利学校との調和を考えることを基本とし、和風の外観を強調する設計を行ったであろうことは、容易に想像がつく。
設計者の星野男三郎は明治31年帝大を卒業、日光廟の修復に携わり、また秋田銀行本店本館(現秋田市立赤れんが郷土館)1912(明治45)内部の設計を行った。
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- 収蔵庫・壱號館
- ここは本家サイト《分離派建築博物館》背 後の画像収蔵庫という位置づけです。 上記サイトで扱う1920年代以外の建物、随 時撮り歩いた建築写真をどんどん載せつつ マニアックなアプローチで迫ります。歴史 レポートコピペ用には全く不向き要注意。 あるいは、日々住宅設計に勤しむサラリー マン設計士の雑念の堆積物とも。
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